編集者の仕事 / PROCESS
記録するだけでは、届かない。
編集者は原稿を書く人ではなく、本のカタチを設計する人です。目的と読者を置き、構成を組み、判型と厚みまで決める。形が決まると、集める素材も締切も逆算できます。

本のカタチにしていく
何のために作るのか決められない
誰に何を残すのか。ここが決まらないと、後半の判断がすべて宙に浮きます。

本のカタチにしていく
何のために作るのか決められない
最初に、誰へ何を残す本なのかを一人の読者で定めます。
記念、継承、採用、広報のどれを主にするかで、載せるものも書き方も変わります。決めきれないときは、完成した本を最初に誰へ手渡したいかを考えてください。その一人が目的をだいたい教えてくれます。編集者は参考になる年史を持ち寄り、選択肢を決めやすい順に並べ替えるところまで引き受けます。
目的が曖昧なまま進めると、後半の選択がすべて重くなります。
本のカタチにしていく
何を載せて何を落とすのか
章立てと配分を決めます。何を載せないかも、ここで一緒に決めます。

本のカタチにしていく
何を載せて何を落とすのか
章立てと配分を決め、載せないものの優先順位も置きます。
章立て、ページ数の配分、写真と文章の比重を決めます。集めた資料と年表を見ながら組むので、資料集めと年表づくりが終わってからの工程になります。編集者が構成案を作り、判断できる形にしてお出しします。
- 載せるものを決める章立てと配分、写真と文章の比重を決めます。まず仮目次の形にして、全体の見通しが立つところまで作ってから判断していきます。
- 落とすものを決める載せるものだけを並べると、あとで足し算が止まりません。落とす優先順位を先に決めておけば、後半の校正の段階で揉めずに済みます。
足す判断より先に、全体を守るための引き算を決めます。
本のカタチにしていく
本の形はいつ決めるのか
判型、厚み、製本、部数。形が決まると、素材も締切も逆算できます。

本のカタチにしていく
本の形はいつ決めるのか
判型と厚みを先に決め、素材と締切を逆算できる状態にします。
本の形は、判型と厚みを先に仮置きすると決めやすくなります。縦横の寸法で写真の見せ方が決まり、厚みで頁数と紙の選び方が決まります。製本と部数まで置いておけば、配る相手と持ち帰りやすさに合わせて、素材の量と締切を逆算できます。
- 判型縦横の寸法です。棚に並べたときの見え方と、写真をどこまで大きく見せられるかが、ここで決まります。先に決めるほど素材集めが楽になります。
- 厚み頁数と紙の選び方で決まります。持ち帰れる重さに収めるか、資料性を取って厚くするか。配り方のほうから決めていくと迷いません。
- 製本と部数上製か並製か、配る相手をどれだけ数えるかで、費用も保管も変わります。長く残すか配りやすさを取るかを決め、予備を含めた部数を置きます。
形を後回しにすると、素材集めも費用判断も遅れます。
進行を受け持つ
9工程をだれが進めるのか
工程の細部に入る前に、誰が何を決め、どの節目で渡すかを三つの束で見渡します。

進行を受け持つ
9工程の大きな流れ
御社が決めることと、双双編集が組み立てることを工程ごとに分けます。
- 0101–04 決める
御社は目的・読者、資料の所在、事実、掲載の優先順位を決めます。双双編集は集め方を設計し、資料を仕分け、年表と仮目次にして判断できる順へ整えます。
- 0205–06 つくる
御社は取材の調整と原稿・表現の確認を担います。双双編集は取材・撮影、原稿、校正、デザイン、組版を進め、確認のたびに次の作業へつなげます。
- 0307–09 確かめて届ける
御社は発行承認、部数、納品先、配布・保管を確定します。双双編集は色校・最終データを通しで確認し、印刷・製本から納品までを管理します。
役割と確認の節目を先に置くと、確認待ちで工程が止まりません。
進行を受け持つ
工程ごとの分担
工程ごとの分担
| 工程 | 御社 | 双双編集 |
|---|---|---|
| 01 目的・編集方針 | 目的と読者を決める | 選択肢と判断順を整える |
| 02 資料集め | 資料の所在を洗い出す | 集め方を設計し、仕分ける |
| 03 年表づくり | 社内の事実を確かめる | 出所つきの年表に組む |
| 04 仮目次 | 載せる順を判断する | 構成案にして見える化する |
| 05 取材・原稿 | 取材を調整し、原稿を確認 | 取材・撮影・執筆・校正 |
| 06 デザイン・組版 | 誌面の表現と内容を確認 | デザイン・組版・赤字反映 |
| 07 最終確認 | 発行を承認する | 色校と最終データを通し確認 |
| 08 印刷・製本 | 部数と納品先を確定する | 印刷・製本を管理する |
| 09 納品・配布 | 配布・保管・引継ぎを行う | 納品し、資料とデータを渡す |
ルールをつくり、つなぐ
先に決めておくことは何か
表記、確認順、許諾、締切。誰が決め、どこに残し、誰へ渡すかまでを先に決めます。

ルールをつくり、つなぐ
先に決めておくことは何か
表記、確認順、許諾、締切を先に決め、全員が見られる一枚にまとめます。
| 先に決めること | 決めておかないと起きること | 誰と決めるか |
|---|---|---|
| 表記の統一 | 社名・役職・年号・送り仮名が章ごとに揺れます。あとから直すのがいちばん高くつきます。 | 御社の広報・総務と。決めた表を一枚にまとめて配ります。 |
| 敬称と肩書 | 存命か物故か、現職か退任かで扱いが割れます。一冊のなかで揺れると読みにくくなります。 | 御社の判断が要ります。刊行前に亡くなる場合の扱いも先に。 |
| 確認の順番 | 差し戻しが増えます。自由に回覧すると赤字がばらばらの層で返り、まとめるだけで一週間かかります。 | 編纂委員会・決裁者と。とりまとめる方を一人決めます。 |
| 写真の許諾 | 刷る直前に使えない写真が出ます。撮影者の退職や連絡不通は、たいてい最後に発覚します。 | 撮影者・被写体と。使うと決めた時点で始めます。 |
| 締切の握り | 校正待ちが工程の外に置き去りになります。承認だけ遅れて、印刷工程に皺寄せがいきます。 | 御社と制作スタッフの両方と。工程表に先に入れます。 |
決めごとは頭の中に置かず、関係者が見える形で共有します。
全体を検める
刷る前に何を確かめるのか
事実、表記、権利、体裁、抜け。部分ごとのOKを、印刷前に一冊のOKへつなぎ直します。

全体を検める
刷る前に何を確かめるのか
事実、表記、権利、体裁、抜けを、印刷前に通して確認します。
| 検めるもの | 見るところ | やり方 |
|---|---|---|
| 事実 | 年月日、数字、固有名詞が資料と合っているか。年表と本文で年がずれていないか。 | 突き合わせは機械が正確に速くやります。どちらが正しいかを決めるのは人です。 |
| 表記 | 決めたルールから外れていないか。同じ言葉が二通りで紛れ込んでいないか。 | 洗い出しは機械。揃える先は、文脈を読んで人が選びます。 |
| 権利 | 写真・引用・図版の許諾範囲。引用は自分の文章が主で、必然性があり、必要最小限であること。 | 出所の台帳と突き合わせます。他社年史からの図版流用は引用にあたりません。 |
| 体裁 | 柱、ノンブル、目次との一致。写真とキャプションの対応。差し替えのたびにずれます。 | 通しで一度見ます。部分だけ見ていると章をまたいだ重複が見つかりません。 |
| 抜け | 載せると決めたものが落ちていないか。取材したのに使われていない話がないか。 | 仮目次に戻って照合します。誰も落としたつもりがないので気づきにくい。 |
最後の確認は部分で終えず、全体を一度つないで見ます。