担当者向け手引き / GUIDE

担当者のための、社史づくり。

社史づくりは、だれが決めてだれが動かすかが決まった時点で半分進みます。決める人、動かす人、知っている人。この3つの役どころを社内で押さえると、あとの相談先が一つひとつ決まっていきます。

01 / 03体制

体制

だれに承認をもらえばいいのか

だれが承認するかを先に決めます。回数と間隔が工程の長さに効きます。

01 / 03体制

体制

だれに承認をもらえばいいのか

承認の場と回数を先に決めれば、工程の長さは読めます。

担当役員、経営会議、編纂委員会。だれが承認するかを最初に決めてください。承認の回数と間隔は、そのまま工程の長さに効きます。月一回の委員会なら、承認が一度戻るだけで一ヶ月動きません。決めておくことは3つです。

  • 承認の場を決める担当役員か、経営会議か、編纂委員会か。どこで決めるかを先に置きます。場が決まらないまま進めると、最後にまとめて差し戻されます。
  • 回数と間隔を決める何回承認を受け、そのあいだをどれだけ空けるか。月に一回の委員会なら、一度戻っただけで次は一ヶ月後になります。工程表には、この間隔のほうを先に入れます。
  • どこまでを委ねるかすべてを承認の場へ上げると、回数が増えて工程が伸びます。担当者の裁量で決めてよい範囲を先に線引きしておくと、上げる件数を絞れます。

決める場が決まっていない仕事は、最後にまとめて戻ってきます。

02 / 03体制

体制

社内に協力してくれる人がいるだろうか

決裁する人とは別に、
話を前へ進めてくれる方が社内に必ずいます。

02 / 03体制

体制

社内に協力してくれる人がいるだろうか

決裁者とは別に、社内を動かせる方を最初の一ヶ月で見つけます。

長く在籍している、部署をまたいで顔がきく、昔の資料のありかを知っている。そういう方です。最初の一ヶ月で見つけてください。名前が挙がらないときは、総務か広報の古株に「社史の話をするなら誰ですか」と聞くと、たいてい同じ名前が返ってきます。担当者が一人で抱えると、社内の協力を取りつける段階で必ず止まります。

担当者が一人で抱えた仕事は、協力を取りつける手前で必ず止まります。

03 / 03体制

体制

会社の昔のことを自分は知らない

会社の歴史を、担当者が一人で知っている必要はありません。誰に聞くかです。

03 / 03体制

体制

会社の昔のことを自分は知らない

歴史を知る人を早く見つけ、資料と一緒に編集者へ渡します。

担当者の役割は、この方たちと資料のありかを編集者へ渡せる状態にすることです。会社の歴史を一人で知っている必要はありません。誰に聞けばいいかが分かっていれば、それで十分に足ります。早く見つけるほど、あとが楽になります。

  • 創業期を覚えている方当時の空気や、記録に残っていない経緯を知っています。ご高齢の場合が多いので、取材の順番はできるだけ早めに置いてください。
  • 書庫を知っている方どの棚に何が眠っているかを知っている方です。総務や庶務に長くいる方に心当たりがあり、声をかけると所在の洗い出しが一気に進みます。
  • 前回の担当者社史や記念行事に関わった方です。何をどこまでやったかを覚えているので、同じ手間を繰り返さずに済みます。在籍していれば必ず当たります。

分からないことは抱えず、知っている人への経路を作ります。

予算

予算

費用は何で決まるのか

総額は仕様で決まります。先に効いてくるのは、この5つだけです。

予算

予算

費用は何で決まるのか

総額はページ数と冊数、そして原稿を誰が書くかで決まります。

予算
要因効き方いつ決まるか
ページ数作る費用に直に効きます。原稿の量、写真の点数、ページに組む手間がそのまま増えるためです。目次の下書きができたとき。何を載せないかを決めておくと、あとで膨らみません。
冊数刷る費用だけが動き、作る費用はほぼ変わりません。冊数を絞っても総額はあまり下がりません。配る先を数えたとき。予備を一割ほど見ておきます。
取材と撮影件数と移動が積み上がります。取材した分だけ原稿も増えるので、ページ数にも跳ね返ります。構成が固まったとき。関係者の予定は先に押さえられます。
原稿を誰が書くか分担で大きく変わります。社内で書く場合も、構成と分量の設計、素材の準備、原稿の確認は編集側が引き受けます。社内の体制が決まったとき。
資料整理の範囲仕分けから頼むか、整理済みのものを渡すかで変わります。量が読めないうちは幅を持たせた見積になります。資料の量を見たとき。着手直後に洗い出しを始めます。

見積で積む費目

企画制作費/編集制作費/撮影費/レイアウト制作費/印刷・製本費。部数と色数で動くのは印刷・製本費だけです。残りの4つは仕様と作業量で決まります。

冊数を削るより、載せないものを決めるほうが効きます。

予算

予算

付帯資料

費用は何で決まるのか

おおむね100万円〜750万円

この予算でできること

  • 100万〜150万円16ページ・中綴じ原稿は社内で用意し、取材はしません。小さい本ほど1ページあたりの制作費は高くつきます。
  • 250万〜400万円52ページ・無線綴じヒアリング6回とトップ取材1回、原稿28,600字、撮影1日。原稿は編集側で書きます。
  • 350万〜550万円84ページ・無線綴じヒアリング8回とトップ取材2回、原稿46,200字、撮影2日。写真の整理もこちらで受けます。
  • 550万〜750万円148ページ・無線綴じヒアリング12回とトップ取材2回、原稿81,400字、撮影3日。年表と資料整理も含みます。

いずれもA4・オールカラー・500部・税別の目安です。部数を200部に減らしても1,000部に増やしても、総額は1割ほどしか動きません。すべてオーダーメイドです。仕様と社内の体制を確認したうえで、案件ごとに見積を提示します。

価格帯・仕様の確認日:2026-08-07

01 / 02期間

期間

発刊日までをどう逆算するのか

9工程の役割と18ヶ月の流れを、WBS順に分けて見渡せるようにします。

01 / 02期間

期間

発刊日までをどう逆算するのか

WBS順に役割を分け、1ヶ月目から18ヶ月目までの工程を並べます。

WBS順に見た18ヶ月の工程と時期
WBS工程時期
1目的・編集方針の決定1ヶ月目
2資料集め2ヶ月目〜3ヶ月目
3年表づくり4ヶ月目
4仮目次を立てる5ヶ月目〜6ヶ月目
5取材・撮影、原稿作成と校正7ヶ月目〜11ヶ月目
6デザイン、組版と校正12ヶ月目〜16ヶ月目
7最終確認17ヶ月目
8印刷・製本18ヶ月目
9納品・配布18ヶ月目

担当と月を先に置くと、確認待ちの遅れを見つけやすくなります。

01 / 02期間

期間

付帯資料

概略スケジュール

1ヶ月目から18ヶ月目までの9つの工程の作業計画。
WBS工程所要工程の帯
1目的・編集方針の決定1ヶ月
2資料集め2ヶ月
3年表づくり1ヶ月
4仮目次を立てる2ヶ月
5取材・撮影、原稿作成と校正5ヶ月
6デザイン、組版と校正5ヶ月
7最終確認1ヶ月
8印刷・製本1ヶ月
9納品・配布

御社が主に動く双双編集が主に動く一緒に決める◆は確認の節目

02 / 02期間

期間

トップには何回見せればいいのか

トップに見ていただくのは3回で足ります。原稿、レイアウト、色校正。

02 / 02期間

期間

トップには何回見せればいいのか

承認は原稿、レイアウト、色校正の3回に分けて受けます。

  1. 01原稿段階

    取材と撮影を終え、文章の確認が済んだところ。書かれている中身を決めるのは、ここが最後です。

  2. 02レイアウト段階

    デザインを終え、ページに組んだ状態を確認したところ。見た目と並び順を決めるのは、ここが最後です。

  3. 03色校正段階

    試し刷りで色を確認したところ。ここで承認をいただければ、あとは印刷と製本を待つだけです。

確認の節目を絞ると、判断がぶれず工程も伸びません。

実務

実務

社内では何を進めればいいのか

御社の手で動かすところ。資料を集め、協力者を決め、社内に知らせます。

実務

実務

社内では何を進めればいいのか

資料、協力者、社内周知、確認の時間を先に押さえます。

実務
やることどう進めるかいつ
資料の所在を確認する書庫、総務、広報、各拠点、OB・OGの手元。まず「どこに何がありそうか」を書き出します。着手直後。いちばん時間がかかるので、ここから始めます。
過去の社史を集める社内の保管分と、図書館や取引先の控え。前回の年表があれば、そこから積み増すだけで済みます。着手直後。前回の担当者が在籍していれば早い。
社内協力者を決める部署ごとに一人、長く在籍している方を優先します。窓口がないまま全社へ依頼を出すと返事が来ません。資料集めの前に。
社内に知らせる朝礼、社内報、イントラ。「昔の資料」では動けませんが、「1970年代の工場の写真」なら心当たりが浮かびます。協力者を決めた直後。節目ごとに繰り返します。
取材の日程を押さえる役員、退職者、現場。予定は早いほど取りやすく、遅れるほど工程を圧迫します。構成が固まる前でも動けます。
確認の時間を確保する確認する方の予定を工程表へ先に入れます。直しの指示は、とりまとめる方を一人決めてください。原稿が上がる前に。

準備は一度に集めず、次の工程が止まらない順に進めます。