年史のスタイル / STYLE

時間の断片を、一冊の構造へ。

同じ「社史」でも、何を主体にするかで手にとられ方が変わります。見る、読む、残す、配る。どれか1つに決め切る必要はなく、実務では組み合わせになります。選ぶ基準をここで示します。

01 / 044つの型

見る

写真を中心にした本にしたい

写真と図版が主役。読ませるより、めくって伝えたいときの型です。

01 / 044つの型

見る

写真を中心にした本にしたい

写真を主役にしつつ、読むための情報も補助として組み合わせます。

写真と図版が主体です。年表や本文は補助にまわし、見開きで1つの場面が伝わるように組みます。読み込ませるより、めくって伝えたいときに選びます。写真の点数が、そのまま本の厚みを決めます。

  • 写真の点数年表や本文が補助にまわるぶん、写真の点数がそのまま厚みを決めます。足りなければ、いま働く人と現場を撮り下ろして補います。
  • 許諾の確認掘り起こしと許諾の確認には時間がかかります。この型で行くと決めた時点で確認を始めてください。後回しにはできない工程です。
  • 見開きで組む1つの場面を見開きで伝える組み方にします。文章は短く添え、写真の並びのほうで流れを作るので、点数と質がそのまま誌面に効きます。

主役を一つ決めると、素材集めと誌面の判断が揃います。

02 / 044つの型

読む

人の話を本に残したい

取材とエピソードが軸になります。取材の量が最も増える型です。

02 / 044つの型

読む

人の話を本に残したい

人の話を軸に、出来事の背景まで取材して物語にします。

取材とエピソードが軸です。人の話を軸に、出来事の前後をつないで物語として読ませます。会社らしさを残したいときに選びます。取材の量がいちばん増える型なので、着手の早さがそのまま効いてきます。

  • 取材の量が増えるこの型は取材の量がいちばん増えます。関係者の予定を早く押さえるほど楽になるので、着手の早さがそのまま工程の余裕になります。
  • 証言は本人にしか残せないご高齢の方から順に当たり、話を聞ける機会を先に確保します。ここだけは、あとになってから取り返しのきかない部分になります。
  • なぜそうしたかを埋める年表に並べただけでは抜けてしまう理由の部分を、証言と資料の突き合わせで埋めます。会社らしさは、たいていここに出てきます。

残したい言葉を先に決めると、取材の順番に迷いません。

03 / 044つの型

残す

次の周年でも使えるようにしたい

資料と年表が中心。次の周年で土台として使いたいときの型です。

03 / 044つの型

残す

次の周年でも使えるようにしたい

資料と年表を核にし、次の担当者が引ける形で残します。

資料と年表が中心です。日付の精度と出所を持たせ、あとから参照できる形に整えます。本文より年表のほうが長く効くので、独立して使える形で作ります。資料整理の比重が上がるぶん、頁数も伸びやすくなります。

  • 資料整理の比重この型は資料整理の比重が上がります。散らばった資料を集めて仕分けるところから始まるので、着手を早めるほど後半に余裕が出ます。
  • 年表を独立して使う本文と切り離しても読める形で作ります。Webの沿革や採用資料へそのまま転用でき、更新のときも年表の側を直すだけで済みます。
  • 次の担当者へ渡す集めた素材は、あとから探し直さずに済む形で残します。10年後の担当者が、一から集め直すところから始めなくてよくなります。

後で使う情報ほど、出所と更新方法を一緒に残します。

04 / 044つの型

配る

社員の家族にも渡したい

部数、判型、軽さから逆算。社員の家族にも渡したいときの型です。

04 / 044つの型

配る

社員の家族にも渡したい

本編と配布用の抜粋版を組み合わせ、渡す相手に合わせます。

部数、判型、軽さから逆算します。持ち帰れる厚みと重さに収め、読み切れる分量へ削ります。部数が増えても編集制作費はほぼ変わらず、動くのは印刷製本費のほうです。増刷は割高になるので、配布先は先に数えます。

  • 本編をつくる資料としての厚みは本編のほうが持ちます。社内での保管と、図書館や取引先へ渡すぶんを、この段階で数えて部数を決めておきます。
  • 抜粋版を配る持ち帰れる薄さに絞った版を別に作ります。社員のご家族まで渡すなら、こちらの部数が主になり、送料や封筒の手配まで効きます。

届ける相手を先に数えると、厚みと部数を同時に決められます。