編集者の仕事 / PROCESS

記録するだけでは、届かない。

編集者は原稿を書く人ではなく、本のカタチを設計する人です。目的と読者を置き、構成を組み、判型と厚みまで決める。形が決まると、集める素材も締切も逆算できます。

01 / 03設計

本のカタチにしていく

何のために作るのか決められない

誰に何を残すのか。ここが決まらないと、後半の判断がすべて宙に浮きます。

01 / 03設計

本のカタチにしていく

何のために作るのか決められない

最初に、誰へ何を残す本なのかを一人の読者で定めます。

記念、継承、採用、広報のどれを主にするかで、載せるものも書き方も変わります。決めきれないときは、完成した本を最初に誰へ手渡したいかを考えてください。その一人が目的をだいたい教えてくれます。編集者は参考になる年史を持ち寄り、選択肢を決めやすい順に並べ替えるところまで引き受けます。

目的が曖昧なまま進めると、後半の選択がすべて重くなります。

02 / 03設計

本のカタチにしていく

何を載せて何を落とすのか

章立てと配分を決めます。何を載せないかも、ここで一緒に決めます。

02 / 03設計

本のカタチにしていく

何を載せて何を落とすのか

章立てと配分を決め、載せないものの優先順位も置きます。

章立て、ページ数の配分、写真と文章の比重を決めます。集めた資料と年表を見ながら組むので、資料集めと年表づくりが終わってからの工程になります。編集者が構成案を作り、判断できる形にしてお出しします。

  • 載せるものを決める章立てと配分、写真と文章の比重を決めます。まず仮目次の形にして、全体の見通しが立つところまで作ってから判断していきます。
  • 落とすものを決める載せるものだけを並べると、あとで足し算が止まりません。落とす優先順位を先に決めておけば、後半の校正の段階で揉めずに済みます。

足す判断より先に、全体を守るための引き算を決めます。

03 / 03設計

本のカタチにしていく

本の形はいつ決めるのか

判型、厚み、製本、部数。形が決まると、素材も締切も逆算できます。

03 / 03設計

本のカタチにしていく

本の形はいつ決めるのか

判型と厚みを先に決め、素材と締切を逆算できる状態にします。

本の形は、判型と厚みを先に仮置きすると決めやすくなります。縦横の寸法で写真の見せ方が決まり、厚みで頁数と紙の選び方が決まります。製本と部数まで置いておけば、配る相手と持ち帰りやすさに合わせて、素材の量と締切を逆算できます。

  • 判型縦横の寸法です。棚に並べたときの見え方と、写真をどこまで大きく見せられるかが、ここで決まります。先に決めるほど素材集めが楽になります。
  • 厚み頁数と紙の選び方で決まります。持ち帰れる重さに収めるか、資料性を取って厚くするか。配り方のほうから決めていくと迷いません。
  • 製本と部数上製か並製か、配る相手をどれだけ数えるかで、費用も保管も変わります。長く残すか配りやすさを取るかを決め、予備を含めた部数を置きます。

形を後回しにすると、素材集めも費用判断も遅れます。

ディレクション

進行を受け持つ

9工程をだれが進めるのか

工程の細部に入る前に、誰が何を決め、どの節目で渡すかを三つの束で見渡します。

ディレクション

進行を受け持つ

9工程の大きな流れ

御社が決めることと、双双編集が組み立てることを工程ごとに分けます。

  1. 0101–04 決める

    御社は目的・読者、資料の所在、事実、掲載の優先順位を決めます。双双編集は集め方を設計し、資料を仕分け、年表と仮目次にして判断できる順へ整えます。

  2. 0205–06 つくる

    御社は取材の調整と原稿・表現の確認を担います。双双編集は取材・撮影、原稿、校正、デザイン、組版を進め、確認のたびに次の作業へつなげます。

  3. 0307–09 確かめて届ける

    御社は発行承認、部数、納品先、配布・保管を確定します。双双編集は色校・最終データを通しで確認し、印刷・製本から納品までを管理します。

役割と確認の節目を先に置くと、確認待ちで工程が止まりません。

ディレクション

進行を受け持つ

工程ごとの分担

工程ごとの分担

9工程の分担
工程御社双双編集
01 目的・編集方針目的と読者を決める選択肢と判断順を整える
02 資料集め資料の所在を洗い出す集め方を設計し、仕分ける
03 年表づくり社内の事実を確かめる出所つきの年表に組む
04 仮目次載せる順を判断する構成案にして見える化する
05 取材・原稿取材を調整し、原稿を確認取材・撮影・執筆・校正
06 デザイン・組版誌面の表現と内容を確認デザイン・組版・赤字反映
07 最終確認発行を承認する色校と最終データを通し確認
08 印刷・製本部数と納品先を確定する印刷・製本を管理する
09 納品・配布配布・保管・引継ぎを行う納品し、資料とデータを渡す
01 / 02ルールとつなぎ役

ルールをつくり、つなぐ

先に決めておくことは何か

表記、確認順、許諾、締切。誰が決め、どこに残し、誰へ渡すかまでを先に決めます。

01 / 02ルールとつなぎ役

ルールをつくり、つなぐ

先に決めておくことは何か

表記、確認順、許諾、締切を先に決め、全員が見られる一枚にまとめます。

ルールをつくり、つなぐ
先に決めること決めておかないと起きること誰と決めるか
表記の統一社名・役職・年号・送り仮名が章ごとに揺れます。あとから直すのがいちばん高くつきます。御社の広報・総務と。決めた表を一枚にまとめて配ります。
敬称と肩書存命か物故か、現職か退任かで扱いが割れます。一冊のなかで揺れると読みにくくなります。御社の判断が要ります。刊行前に亡くなる場合の扱いも先に。
確認の順番差し戻しが増えます。自由に回覧すると赤字がばらばらの層で返り、まとめるだけで一週間かかります。編纂委員会・決裁者と。とりまとめる方を一人決めます。
写真の許諾刷る直前に使えない写真が出ます。撮影者の退職や連絡不通は、たいてい最後に発覚します。撮影者・被写体と。使うと決めた時点で始めます。
締切の握り校正待ちが工程の外に置き去りになります。承認だけ遅れて、印刷工程に皺寄せがいきます。御社と制作スタッフの両方と。工程表に先に入れます。

決めごとは頭の中に置かず、関係者が見える形で共有します。

02 / 02ルールとつなぎ役

全体を検める

刷る前に何を確かめるのか

事実、表記、権利、体裁、抜け。部分ごとのOKを、印刷前に一冊のOKへつなぎ直します。

02 / 02ルールとつなぎ役

全体を検める

刷る前に何を確かめるのか

事実、表記、権利、体裁、抜けを、印刷前に通して確認します。

全体を検める
検めるもの見るところやり方
事実年月日、数字、固有名詞が資料と合っているか。年表と本文で年がずれていないか。突き合わせは機械が正確に速くやります。どちらが正しいかを決めるのは人です。
表記決めたルールから外れていないか。同じ言葉が二通りで紛れ込んでいないか。洗い出しは機械。揃える先は、文脈を読んで人が選びます。
権利写真・引用・図版の許諾範囲。引用は自分の文章が主で、必然性があり、必要最小限であること。出所の台帳と突き合わせます。他社年史からの図版流用は引用にあたりません。
体裁柱、ノンブル、目次との一致。写真とキャプションの対応。差し替えのたびにずれます。通しで一度見ます。部分だけ見ていると章をまたいだ重複が見つかりません。
抜け載せると決めたものが落ちていないか。取材したのに使われていない話がないか。仮目次に戻って照合します。誰も落としたつもりがないので気づきにくい。

最後の確認は部分で終えず、全体を一度つないで見ます。